2009 Fiscal Year Annual Research Report
低質量星まわりのハビタブル・ゾーンにおける地球型惑星形成
Project/Area Number |
08J08528
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荻原 正博 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星形成 / 数値計算 / M型星 / 地球型惑星 |
Research Abstract |
本研究の目的は、低質量星のまわりのハビタブル・ゾーンでの地球型惑星形成を調べることである。具体的には、M型星におけるハビタブル・ゾーン周辺において5000体程度の微惑星の軌道計算を行い、惑星の合体成長や軌道進化を調べ、最終的に形成する惑星系の性質を明らかにする。昨年度までに、重力多体専用計算機用の計算コード開発は終了しており、5000体規模のN体シミュレーションを行った。計算の結果、微惑星は円盤ガスから重力的な抵抗を受けることによって、円盤内を中心星方向に素早く移動し、最終的に数個の惑星が中心星のごく近傍に形成することがわかった。また、それらの惑星はほぼ確実に平均運動共鳴状態にあり、それによって系が安定化されている為、円盤ガスが散逸した後も安定でい続け、衝突を起こすことはないことがわかった。 ところで、近年発見され始めた中心星近傍に存在する地球型惑星(スーパーアース)からなる惑星系は、互いの惑星同士が平均運動共鳴状態にはなく、これまでの計算結果と矛盾する。そこで、今回、円盤ガスとの重力的相互作用によって中心星方向に移動する(タイプI惑星移動)速度が遅いと観測結果を再現できる可能性を考え、これまでの線形論で見積もられている値よりも10-100倍程度遅くして計算を行った。その結果、惑星は一旦は平均運動共鳴状態で形成するが、それらの個数はこれまでの計算結果よりも多く(およそ30個以上)、円盤ガスの散逸とともに系は不安定化し、衝突合体を起こした。最終的に、数個の惑星が平均運動共鳴状態からは外れて形成することがわかった。これらの惑星は、中心星のごく近傍から比較的離れた場所(~0.1AU以遠)まで広い範囲に分布しており、観測結果と調和的であるとともに、ハビタブル・ゾーンにある一定の確率で惑星が形成するということを示している。
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Research Products
(4 results)