2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランドにおける教員の資質向上政策に関する研究
Project/Area Number |
08J08569
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 望 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニュージーランド / 教員評価 / 教員登録 / 教員の資質能力 / PMS / 視学制度 |
Research Abstract |
本年度は、特に各学校にて実施される教員評価、及び教員の資質向上を図るための教員組合の戦略等を中心に、その実態を明らかにすべく研究を進めた。現地学校や組合への訪問調査を行い、校長や担当者に対するインタビューを実施した。同時に国立図書館、大学図書館等にて関連資料を収集した。 その結果、(1)自律的な学校経営が推進されているため、各学校は独自の教員評価システムを構築・展開しなければならないこと、(2)国主導にて展開される教員登録に対して、教員評価を主な手段としていること、(3)教員評価が教員の職能開発・職能成長に対しても重要な手段として位置づけられていること、(4)教員評価を実施する際、組合等によって作成される専門職スタンダードが基準とされていること、が明らかになった。換言すれば、教員評価を媒介として、教員登録と職能開発・職能成長を同時に実施しているという学校の実態を看取することができた。そして、教員評価の実施は、教育省によって発表された業務・業績管理システム(Performance Managemet Systems:PMS)が根拠となっていることが明らかになった。 ニュージーランドは1980年代の教育改革によって抜本的な制度改変がもたらされているため、現行制度と教育改革以前の教員評価制度を比較検討することが、教員評価の展開について理解するうえで重要な作業となる。改革以前の学校視学官(School Inspector)に着目し、その役割機能について調査・分析を行った。学校視学官は、学校の査察の他、教員の等級づけ(grading)の機能を持っており、教員の資質能力の確保・向上に責任を有していたことが明らかになった。
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Research Products
(7 results)