2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08575
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
倉方 健作 Waseda University, 文学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 19世紀 / 詩 / ヴェルレーヌ / マラルメ / グールモン / 文学史 |
Research Abstract |
「1880-90年代フランス文壇における詩的継承」と題した研究の初年度にあたる2008年度は、研究の基盤を形成し、翌年度以降の発展に備えるための作業を中心とした。2008年5月24日に青山学院大学で開催された日本マラルメ研究会第14回総会において研究発表を行い、研究の方向性を検証する機会とした。「『今日の人々』Les Hommes d'aujourd'huiについて」と題しか発表は、1880-90年代の詩壇の核となったヴェルレーヌとマラルメ両詩人の関係について、雑誌『今日の人びと』とその出版人レオン・ヴァニエを媒介として論じたものだったが、発表後の質疑応答によって多くの示唆を得ることができた。その後は同時代の文学書・文学雑誌をはじめとする研究資料を収集し検証することに研究の主眼を置いた。折からの原油高もあり資料調査は国内で行われたが、大半の文献を入手もしくは閲覧することができた。また2008年は、19世紀末の詩壇における潮流の形成に大きく関わった作家、レミ・ド・グールモンの生誕150年にあたった。これに際してフランスで企画された論文集Actualite de Remy de Gourmontにフランス語論文《La reception de Remy de Gourmont au Japon》を寄稿し、研究題目との主題と関連して、作家の幅広い活動と受容の一端を論じた。この論集の編集過程において、同時代のさまざまな作家をそれぞれ主な研究対象とするフランス人研究者だちとの意見交換の機会が得られたが、これは1880-90年代の詩壇に対する視野を大きく広げることに繋がり、次年度以降の研究の進展への大きな刺激となった。
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Research Products
(2 results)