2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08583
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 克博 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プロテアソーム / 胸腺 / MHC class I |
Research Abstract |
1.胸腺プロテアソームによるポジティブセレクションメカニズムの解明 初年度研究計画に基づき胸腺プロテアソームにより生成されたMHCclassI上のペプチド配列をプロテオミクスの手法を用いて解析を試みた。B6マウス由来リンパ腫細胞株EL4を用い、この手法がペプチド解析に有用であることを確認した。しかし、この解析に必要となる十分な細胞数をマウス胸腺から分離したcTECから得ることは難しく現実的ではないと思われた。そこで現在、恒常的なβ5t発現細胞株を作製すると同時にIFNγ誘導性プロテアソームサブユニットβ5iをβ5tへ置き換えたマウスを作製、解析中である。このマウスは非常に有用なツールになると考えおりβ5t,β1i,β2iがIFNγによって同時に発現されるため容易に胸腺プロテアソームを細胞内で作り出すことが可能となる。このマウスの解析はペプチド配列の同定に寄与するだけでなくプロテアソームのもつマルチなペプチダーゼ活性が免疫システムに及ぼす影響を解明出来る可能性を持つ。 2.胸腺皮質上皮細胞(cTEC)特異的発現制御機構の解明 磁気ビーズを用いたマイルドな細胞分離により、胸腺組織から高いバイオアベイラビリティを保持し、かつT細胞のコンタミせーションが少ないcTECを回収する手法を開発した。この分離法によって得られたcTECを一方は再凝集胸腺器官培養法、もう一方は平面培養を行い、その後それら細胞群から抽出したmRNAを用いてマイクロアレイを行った。その結果平面培養を行ったcTECではβ5tの発現の減少とともに多くの遺伝子群において発現の変動が認められた。その中にはβ5tのように胸腺のみで発現している分子が含まれており、これらのデータから得られた分子群は胸腺の構築制御、cTECの機能維持またはβ5tの発現制御に関わる可能性が非常に高く、今後の胸腺メカニズムの解明に役立つものとなるはずである。
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Research Products
(4 results)