2008 Fiscal Year Annual Research Report
TCDDによる糖代謝異常モデルを用いた新規メタボリックシンドローム関連因子の探索
Project/Area Number |
08J08595
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阪田 佳紀 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ダイオキシン / メタボリックシンドローム / アミノレブリン酸合成酵素 |
Research Abstract |
本研究はダイオキシン曝露により細胞内グリコーゲンが減少し、その現象にヘム合成系の律速酵素であるアミノレブリン酸合成酵素(ALAS)の誘導が関与することから、ALASを中心としたヘム合成系と糖代謝、脂質代謝との関連及び相互作用を分子生物学的に検討し、糖代謝におけるALASの生物学的意義、新規メタボリックシンドローム関連因子を同定することを目的としている。 グリコーゲン代謝調節機構におけるALASの作用するシグナル経路として、ウエスタンブロッテイングによる解析を行ったところ、インスリンシグナル下流に位置するGSK3βのリン酸化がダイオキシン曝露により亢進していることが明らかとなった。一方ALASをノックダウンした細胞ではこの現象は確認されず、ALASの関与が特定された。また、ダイオキシンによるALASの誘導に関して、概日リズムを制御する転写抑制因子であるRev-erbαの関与を想定し、レポーター試験を行った。ダイオキシンは概日リズム制御因子でありRev-erbαによる抑制を受けるBmal1を誘導し、さらにALASプロモーター上にRev-erbαが結合することを見出した。本研究で対象としているALASは糖新生並びにインスリンシグナルの制御に関与することが示唆され、メタボリックシンドローム治療の標的となることが示唆される。また、ダイオキシンによる誘導を詳細に検討することは、未知であったヘムによるネガティブフィードバック制御の解明に繋がる可能性がある。
|
Research Products
(5 results)