2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳の層構造形成を司る分泌蛋白質リーリンの新規分解機構と、その生理的意義の解明
Project/Area Number |
08J08604
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
河野 孝夫 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リーリン / Dab1 / proprotein convertase / Furin |
Research Abstract |
リーリンは、脳の層構造形成に必須な巨大分泌蛋白質であり、C末端側に塩基性アミノ酸に富む領域(CTR)を持つ。申請者は、これまでにproprotein convertaseファミリーのプロテアーゼにより、リーリンはCTR内で分解を受けることを見いだし、分解を受けていないCTRを持つリーリンは、神経細胞膜と強い親和性を持つことを明らかにしてきた。本年度は、CTR内の分解について生化学的、組織学的解析を行い、以下のことを明らかにした。CTR内が分解される割合は、胎生期に比べ生後で増加すること、また分解を受けていないCTRを持つリーリンは、大脳皮質では、リーリン産生細胞であるカハール・レチウス細胞の近傍にのみ局在することを見いだした。これらの結果から、皮質板が厚くなる胎生後期から生後に、拡散性の高いリーリンを産生するために、CTR内の分解が制御される可能性が示唆された。また、分解を受けていないCTRを持つリーリンは、分解を受けたCTRを持つものに比べ、ヘパリンに強い親和性を持つことを見いだした。このことから、CTR内の分解により、リーリンとグリコサミノグリカンとの相互作用が調節される可能性が示唆された。さらに、本研究の遂行過程で、CTRが8番目のリーリンリピートの構造を変化させること、この構造変化がリーリンの下流シグナル活性化能に必要であることを見いだし、論文として報告した(Kohno T.,et al., J Neurosci Res, 2009)
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Research Products
(3 results)