2008 Fiscal Year Annual Research Report
反発性神経軸索誘導を制御するマクロピノサイトーシスの分子機構
Project/Area Number |
08J08681
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 さやか The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | マクロピノサイトーシス |
Research Abstract |
研究代表者は現在、理化学研究所・発生神経生物研究チームに出向して研究活動を行っている。これまでに、反発性神経軸索誘導にマクロピノサイトーシスが重要な役割を果たしていることが解明されている。研究代表者は、反発性神経軸索誘導におけるマクロピノサイトーシスがいかなる分子メカニズムで制御されているかを解明することを目的として、関連分子の同定を目指している。 当チームでは既に、重要関連分子としてシンタキシンを同定している。そこで研究代表者は、シンタキシンに結合する新規蛋白質を同定することで、一連の現象の制御メカニズムを解明しようと試みている。新規蛋白質を同定する戦略として、(1)網羅的解析、(2)候補分子解析、の二つのアプローチを採用した。 研究代表者は平成20年度内に、(1)(2)両方のアプローチから、複数のシンタキシン結合候補蛋白を同定した。その中の複数蛋白について、実際にシンタキシンに結合する新規蛋白であると裏付ける結果を、複数の実験系(GST融合シンタキシン精製蛋白による結合実験、および免疫沈降)から得た。さらに、シンタキシン中に存在する各ドメインにGSTを融合させた精製蛋白を作製し、それらを用いた結合実験から結合に重要と考えられる部位も確定することが出来ている。現在は、in vivoの実験系を確立している段階であり、これらの結合がマクロピノサイトーシスをいかに制御しているか、検討をすすめている。これらの新規シンタキシン結合蛋白は、軸索先端である成長円錐にも存在することが既に知られており、シンタキシンとの結合が反発性軸索誘導において果たす役割の重要性は大変興味深く、期待出来ると考えている。
|