2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会的拒絶への対処行動の規定因-2者関係の性質に注目して-
Project/Area Number |
08J08727
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮崎 弦太 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会的拒絶 / 対処行動 / 関係相手からの受容予期 / 関係喪失のコスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、2者関係のどのような性質によって、相手からの拒絶に対して攻撃などの関係を破壊するような対処行動ではなく、話し合いなどの関係を修復するような対処行動が促進されるのかを明らかにすることである。本年度の研究では、特定の関係相手からの受容予期が拒絶への対処行動に及ぼす影響、その影響を調整する要因、受容予期と関係喪失のコストが複合的に拒絶への対処行動を規定するプロセスを検討するため、2つの研究を行った。 その結果、1)個人が持つ愛着スタイルに関わらず、親友からの受容予期は拒絶への関係修復的な対処行動を直接的に促進すること、2)関係への強いコミットメントを可能にすることを通した受容予期の間接的な影響は、安定型の愛着スタイルの人に顕著に認められ、とらわれ型の人には認められないこと、3)親友からの受容予期が実験操作によって一時的に強められると、男性において拒絶に対する関係破壊的行動が抑制されることが明らかとなった。 以上の知見は、関係相手からの受容予期が拒絶への関係修復的な対処行動を促進するうえで頑健な効果を持つことを示すと同時に、間接的な効果も含めてその機能が十分に発揮されるための条件を明らかにした点で、受容予期が拒絶への対処行動に及ぼす影響過程を精緻化するものであった。さらに、男性のみではあるが、親友からの過去の受容体験を短時間想起するだけで、拒絶への関係破壊的な対処行動が抑制されることが示されたことは、親密な対人関係の中で拒絶への関係修復的な対処行動を導くための有効な方法を提供する重要な知見と考えられる。
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Research Products
(5 results)