2008 Fiscal Year Annual Research Report
軸不斉アリールカルボニル化合物の触媒的不斉合成、構造及び合成的利用に関する研究
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08J08746
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須田 健資 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ベンズアミド / ピリドン / 軸不斉 / 付加環化反応 / アルキン / イソシアネート / 環化異性化反応 / エンイン |
Research Abstract |
本研究では、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いたアルキン末端に立体的に嵩高い置換基を有するN,N-ジアルキルアルキニルアミドとアルキンとの[2+2+2]付加環化反応による軸不斉ベンズアミド誘導体のエナンチオ選択的合成を検討した。 検討の結果、カチオン性ロジウム/(S)-Segphos錯体触媒存在下、1,6-ジインとN,N-ジアルキルアルキニルアミドとの[2+2+2]付加環化反応が進行し、軸不斉ベンズアミド誘導体が高収率かつほぼ完璧なエナンチオ選択性で得られた。本反応は窒素上及びアルキン末端の置換基の立体的な大きさに関わらず、いずれの基質を用いても高収率かつほぼ完ぺきなエナンチオ選択性で生成物が得られた。また得られた軸不斉ベンズアミドの軸不斉の安定性を80℃加熱条件下において調査を行った。その結果、窒素上又はアミドのオルト位に、立体的に小さな置換基を持つ場合にはラセミ化が進行するものの、窒素上及びアミドのオルト位が共に嵩高い場合ではラセミ化が進行しないことが分かった。 次にカチオン性ロジウム錯体触媒を用いた2-置換フェニル基を有するイソシアネートとアルキンとの[2+2+2]付加環化反応による、C-N軸不斉N-アリール-2-ピリドン誘導体の検討を行った。その結果、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を用いると1,6-及び1,7-ジインと2-置換フェニル基を有するイソシアネートとの付加環化反応が室温で進行し、中程度の収率及びエナンチオ選択性で目的生成物が得られた。 また軸不斉アリールピリドン誘導体合成として、カチオン性パラジウム/(S)-xyl-Segphos錯体触媒を用いたアミド架橋1,5-エンインのエナンチオ選択的環化異性化反応による、軸不斉4-アリール-2-ピリドン誘導体合成にも携わり、絶対構造の決定及び反応メカニズムの解明を行った。
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Research Products
(9 results)