2008 Fiscal Year Annual Research Report
1965?1975年における日本人のヴェトナム戦争観
Project/Area Number |
08J08801
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岩間 優希 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヴェトナム戦争 / 戦争報道 / ジャーナリズム / 戦後史 / 平和博物館 / 多文化共生 |
Research Abstract |
今年度は、4月から6月まで主にヴェトナム関連書籍・雑誌の収集と分析を行った。その中でも主にニュースやルポルタージュなどの報道を分析の対象とし、また報道を行った日本人記者の経歴や戦争体験なども合わせてリサーチした。その成果を日韓次世代学術フォーラム第5回大会(於ソウル大学)で発表。並行して、5、6月には戦後日本の思想形成に重要な影響力をもたらした総合誌『中央公論』の元編集長、粕谷一希氏について調査し、7月にインタビューを行った。この成果は『アリーナ』(第6号、風媒社、2009)で発表し、戦後言論界の証言を残す貴重な資料とすることができた。 10月には自身が実行委員としてかかわっている第6回国際平和博物館会議(於立命館大学平和ミュージアム)が開催され、平和博物館とメディアについての分科会をコーディネートする。11月にはハノイ、フエ、ホーチミンでの現地調査を実施。特に各地にある戦争博物館を訪れ、展示内容の傾向や日本人ジャーナリストによる写真の展示がいかなる位置を占めているかを調査した。これは、博物館における戦場写真の表象という、日本ではあまりなされていない研究課題であり、同研究に有益な成果を与える調査となった。 1月から3月にかけては、多文化共生社会についてのあり方を調査するプロジェクトに加わり、自ら韓国の安山市と神奈川県の川崎市をフィールド調査。この成果を第5回先端国際コンファレンス「多文化主義と社会的正義」(立命館大学、2009年3月23日)において共同発表したほか、各種報告書を執筆。この調査によって、異なる者同士の共生に関する理論的視座を得ることができ、またその国際的な連関についても注目する画期的な研究を構築することができた。
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Research Products
(7 results)