2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリッド環境における並列計算実行基盤の最適化に関する研究
Project/Area Number |
08J08911
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
千葉 立寛 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 集団通信 / グリッド / アルゴリズム / 並列計算 / ハイパフォーマンスコンピューティング / ネットワーク / 性能モデル |
Research Abstract |
本年度は、アプリケーションの性能モデルや通信アルゴリズムに関する基礎的な研究・調査を行い、複数のクラスタを広帯域なWANで結合した並列計算実行環境に最適化された集団通信アルゴリズムの開発を行った。特にScatter/Gather通信のアルゴリズムの性能に関する議論・考察を行った。従来、十分なバンド幅が得られず通信を行う際にボトルネックとなっていたWAN間の通信において、複数の通信コネクションを用いてWAN間通信のスループットを向上させることで、集団通信全体の実行時間を高速化可能とする集団通信アルゴリズムについての提案を行った。WAN上を複数コネクションで同時に通信を行う際、単純に多数のコネクションを張ることでは性能向上には繋がらず、他のコネクション同士の通信コンテンションと、WAN上での利用可能な合計バンド幅を十分に考慮してコネクション数を最適化する必要がある。そのため、本提案アルゴリズムでは、性能モデルを構築して集団通信実行時間を予測し、最適なWAN間通信コネクション数を導出するための手法を提案した。本提案アルゴリズムと従来手法での集団通信アルゴリズムとの性能比較・検討を行い、本提案アルゴリズムを用いることで高い集団通信性能の向上が達成可能であることを確認した。しかし、通信コンテンションの再現性やそれを表現するパラメータの精度が低く、性能モデルで求められた性能と実際の実行性能の間に開きがあることも確認されたため、これらを改良するために必要な手法について、今後検討を重ねていく。
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Research Products
(2 results)