2008 Fiscal Year Annual Research Report
保存されたタンパク質シュゴシンの機能および局在化機構の解析
Project/Area Number |
08J08946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 有哉 The University of Tokyo, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分配 / ヘテロクロマチン / シュゴシン |
Research Abstract |
細胞が分裂して増殖したり、減数分裂をして配偶子を形成する際に正確に染色体DNAを分配することは重要である。この過程にミスが生じると、ガン化を招いたり、流産やダウン症の原因となる。真核生物に広く保存されたタンパク質シュゴシンは分裂期に染色体上のセントロメア領域に局在し、姉妹染色体間の接着を守る働きをしている。シュゴシンは正確な染色体分配をする上で必須のタンパク質であり、シュゴシンの機能が失われると、姉妹染色分体間の接着が維持できずに染色体分配に異常をきたす。ここでシュゴシンのセントロメア局在化機構は不明であった。今回の研究で、分裂酵母のシュゴシンSgolはヘテロクロマチンタンパク質Swi6と直接相互作用し、セントロメアへと局在化しているという機構を明らかにした。Swi6に結合できないSgolは正常にセントロメアに局在できず、姉妹染色分体間の接着の維持ができずに、染色体分配に異常をきたす。また、この機構は、ヒトのシュゴシンホモログの一つhSgo1と、ヒトのSwi6ホモログの一つHP1との間にも、その相互作用様式を含めて保存されていることも併せて示した。 この研究成果は、発見以来その重要性から活発に研究されているタンパク質であるシュゴシンの、具体的なセントロメア局在化機構の1つを明らかにしたという面で非常に重要な成果である。また同時に、今まで謎であった、多くの真核生物でセントロメア周辺にヘテロクロマチンが形成されることの意義の一つが、シュゴシンを局在させることにあるということを示した点でも重要である。
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Research Products
(3 results)