2009 Fiscal Year Annual Research Report
保存されたタンパク質シュゴシンの機能および局在化機構の解析
Project/Area Number |
08J08946
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 有哉 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分配 / ヒストン / ヘテロクロマチン / シュゴシン |
Research Abstract |
細胞が分裂して増殖したり、減数分裂をして配偶子を形成したりする際に正確に染色体DNAを分配することは重要である。この過程にミスが生じると、ガン化を招いたり、流産やダウン症の原因となる。真核生物に広く保存されたタンパク質シュゴシンは分裂期に染色体上のセントロメア領域に局在し、姉妹染色体間の接着を守る働きをしている。シュゴシンは正確な染色体分配をする上で必須のタンパク質であり、シュゴシンの機能が失われると、姉妹染色分体間の接着が維持できずに染色体分配に異常をきたす。シュゴシンが機能を果たす上で、セントロメアに局在することが非常に重要であるが、その具体的な機構は不明であった。今回の研究では、シュゴシンSgo1が進化的に保存されたSGOモチーフを介して、Bub1キナーゼによってリン酸化されたセントロメア領域のヒストンH2Aを含むヌクレオソームと相互作用することを発見し、さらにはSgo1がリン酸化H2Aとの相互作用およびヘテロクロマチンタンパク質Swi6との相互作用の協調的な働きによってセントロメアのヘテロクロマチン領域に局在していることを見出した。これらの研究結果からSgo1のセントロメア局在化機構が解明された。この成果は、染色体分配に必須の役割を果たす、保存された因子シュゴシンのセントロメア局在化機構を解明した非常に重要な成果であり、基礎科学的側面のみならず、ガン治療など医学的な見地からも将来の応用が期待される成果である。
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Research Products
(5 results)