2008 Fiscal Year Annual Research Report
心臓の機械的伸展により誘発される不整脈の機序解明への医工学的アプローチ
Project/Area Number |
08J09010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬尾 欣也 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | merchano-electric feedback / stretch-activated channels / stretch-induced arrhythmias / 心臓震盪 / 光学的膜電位マッピング / 機械刺激感受性 |
Research Abstract |
心臓の機械的伸展により誘発される不整脈の機序解明のため、細胞レベルの実験において、伸展刺激により開くstretch-activated channels(SACs)がT管に局在すると仮定し、それを構造・機能両面から検証した。 T管が細胞表面から細胞内部にかけてどのように分布しどのような構造を持つかについては未知な部分か多く、細胞の伸展によりT管がどのように変形するかも明らかではないため、本研究ではまずT管の構造を詳細に観察した。 その結果、T管は2μm周期で格子間隔に並んでおり、筋原線維のZ帯の部分に沿って走行していることが推測でき、また心筋細胞の収縮に伴いT管も追随して変形することが確認されたことから、T管はZ帯部分に機械的に連結していることが予想された。このことから、心筋細胞の伸展に伴いT管も大きく変形することが示唆された。 次にT管の構造変化で伸展時の膜電位がどのように変化するかを調べることにより、T管の局在を推定した。その結果、正常細胞では、静止した細胞に対する長軸方向伸展刺激は、その伸展刺激の大きさに応じて一過性の膜電位脱分極を引き起こすのに対し、T管を切除した細胞では、正常細胞に比べて伸展刺激に対する膜電位変化が大きく減弱することが確認された。SACsを阻害した細胞や、T管に局在するとされるLTCCを阻害した細胞でも膜電位応答を計測して比較した結果、SACsとLTCCの両方を阻害した場合の膜電位応答がT管除去細胞の膜電位応答と同程度になることが確かめられた。 以上のことから、T管は伸展時に大きく変形を受け、SACsはこのT管に局在しすることが示唆された。これらの結果は、現在進行中の組織・臓器レベルの実験・シミュレーションに統合される予定であり、機械的伸展刺激により誘発される不整脈の機序解明においてその基礎になるものと考える。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] In vivo imaging in mice reveals local cell dynamics and inflammation in obese adipose tissue2008
Author(s)
Satoshi Nishimura, Ichiro Manabe, Mika Nagasaki, Kinya Seo, Hiroshi Yamashita, Yumiko Hosoya, Mitsuru Ohsugi, Kazuyuki Tobe, Takashi Kadowaki, Ryozo Nagai, Seiryo Sugiura
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Journal Title
Journal of Clinical Investigation 118(2)
Pages: 710-721
Peer Reviewed
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