2008 Fiscal Year Annual Research Report
人体の影響を含めた超広帯域・空間多重伝送方式における統合高度周波数利用技術の開拓
Project/Area Number |
08J09073
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
浅沼 健一 Ritsumeikan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | UWB / アンテナ / ファントム / MIMO / 人体 / 伝搬 / FDTD / 放射効率 |
Research Abstract |
はじめに、電流経路選択用のRFスイッチをアンテナ素子に非対称に組み込んだアクティブ型UWBアンテナの設計法を提案し、人体の影響を低減するアンテナ特性を実現した。具体的には従来手法に比べて放射効率を最大38%改善し、かつ、放射効率50%以上となる周波数帯域幅を2.2GHzから7.3GHzまで大幅に拡大できることを示した。本成果により、これまで困難と考えられてきた人体の影響を考慮したUWBアンテナ設計法を新たに開拓できたと考えられる。本成果は電子情報通信学会論文誌(B)2009年4月号に掲載された。 つぎに、本アンテナ素子を評価端末上に4素子配列したUWBアンテナシステムを設計し、当初予定していた2×3MIMOチャネルをソフトウェア技術とマイクロ波スイッチの併用により2×4MIMOチャネルに拡張した上で、送受信間の伝送特性を人体手部と人体胸腹部の影響を含めて評価した。具体的には、あらかじめ行った端末保持姿勢調査結果に基づき、端末の保持モデルを縦横2種類選定した上でアンテナ伝達関数と平均チャネル容量との関係について明らかにした。その結果、送受信間の伝送特性を決定づけるキーパラメータは送受信端末角度であることを示し、胸腹部の反射パスが伝送路の固有値分布特性に影響を与え、その影響度は周波数が高くなるほど顕著となることを示した。 また本アンテナ・伝送路モデルの評価のために開発したUWB皮膚ファントム、相対放射効率評価システムについても関連成果として共著で発表を行い、従来の測定・評価法に比べて高効率・高精度に評価可能であることを実験と計算の比較により明らかにした。
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Research Products
(2 results)