2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星による撮像から明らかにする地球大気・プラズマの長期的変遷
Project/Area Number |
08J09102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 豪 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ圏 / 撮像 / 極端紫外光 / かぐや / 国際宇宙ステーション |
Research Abstract |
過去に私が行った観測器の較正試験結果を用いて、「かぐや」が得た画像から地球近傍プラズマの2次元密度分布を算出した。その結果、プラズマ圏内の磁力線に沿った局所構造が地球と共回転していることを明らかにした。この結果はプラズマ圏に関する基礎物理を検証するために重要な観測事実であり、本成果は国際学術誌Earth, Planets, and Spaceに採録決定済みである。さらに私は「かぐや」が捉えた画像から高密度プラズマが磁力線に沿って局所的に分布する現象(フィラメント現象)を発見した。フィラメント現象を捉えるには赤道面付近からの撮像が必要であり、観測に成功したのは本研究が世界初となる。本成果は2010年5月にウィーンで行われる国際学会European Geosciences Union General Assembly 2010にて発表予定である。 「かぐや」による撮像観測は遠距離から地球近傍プラズマの大局的な分布を得られる反面、光量の損失が大きいため長い積分時間が必要となる。この点を補うため私は低軌道を周回する国際宇宙ステーション「きぼう」からの地球近傍ヘリウムイオンおよび酸素イオンの撮像を計画した。「きぼう」搭載用の極端紫外光撮像装置は反射鏡、フィルタ、および2次元検出器からなる。前年度に行った計算結果に基づき、反射鏡の表面にアルミニウムと酸化イットリウムを交互に積層した反射鏡を製作した。本反射鏡を用いることでヘリウムイオンの共鳴散乱光(30.4nm)に対する反射率を従来のものよりも25%程度向上できるだけでなく、混入成分となるヘリウム原子からの散乱光(58.4nm)に対する反射率を従来の30分の1程度まで抑えられることを実験から明らかにした。本成果については国際学術誌Review of Scientific Instrumentsに投稿準備中である。
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[Presentation] Global images of the plasmasphere from the meridian perspective observed by KAGUYA2009
Author(s)
Murakami, G., I.Yoshikawa, Y.Obana, K.Yoshioka, G.Ogawa, A.Yamazaki, M.Kagitani, M.Taguchi, M.Kikuchi
Organizer
IAGA 11th Scientific assembly
Place of Presentation
Sopron, Hungary
Year and Date
2009-08-28
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