2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09114
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三枝 真吾 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 単一細胞操作 / 原子間力顕微鏡 / 細胞選別 / 力学測定 / 抗体修飾ナノ針 / Nestin / 細胞内タンパク質検出 |
Research Abstract |
我々は原子間力顕微鏡(AFM)と微小探針を用いた新しい細胞操作技術の開発を行っそいる。集束イオンビームにより通常のAFM探針を長さ10μm、直径200nmの針形状にエッチングし、これをナノ針として細胞操作に用いている。ナノ針は細胞を変形させることなく、スムーズに挿入操作が可能であることが既に明らかになっている。本研究ではナノ針の表面に抗体を修飾し、細胞内に挿入、抜去した際の力学応答によって細胞内のタンパク質を検出することを試みた。従来、細胞選別の方法としてフローサイトメトリーが用いられるが抗原は細胞表面に存在する分子に限定されてしまう。また、免疫染色等は細胞内タンパク質を検出できるが細胞を固定化するので生きた細胞を扱うことはできない、本手法は生きた細胞の細胞内マーカータンパク質を力学的に検出する全く新しい技術である。蛍光物質等を必要としないために将来細胞移植の際に目的の細胞を選別する技術になると考えられる。本研究では神経幹細胞マーカータンパク質であるNestinを標的とし、検出を行った。モデル細胞としてマウス胚性腫瘍細胞P19をNestin陽性細胞として、マウス繊維芽細胞NIH3T3をNestin陰性細胞として用いた。それぞれの細胞に対して抗Nestin抗体修飾ナノ針を挿入し、力学測定を行ったところ、P19では1000pN程度の力学応答が見られ、NIH3T3では300-500pN程度であった。600pNを閾値とした場合、ほぼ完全に細胞を力学的に判定できることが可能であった。また、P19とNIH3T3を同一のdish上で培養し、ランダムに選んだ細胞に対して力学測定を行った後に免疫染色を行った。その結果力学応答があった細胞と染色された細胞は一致し、力学的に細胞を識別することができた。今後、連続的に細胞に挿入操作を行い、力学測定の結果に基づいて細胞を選別する装置を構築する
|
Research Products
(3 results)