2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09114
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三枝 真吾 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員DC-1
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Keywords | 細胞分離技術 / 抗体修飾ナノ針 / 神経幹細胞 / 力学測定 / nestin / 単一細胞操作技術 / 原子間力顕微鏡 / MPCポリマー |
Research Abstract |
我々はナノスケールに加工した針(ナノ針)と原子間力顕微鏡を組み合わせた、生きた細胞の操作または解析を行うための技術、セルサージェリーの開発を行っている。ナノ針は細胞への精密な挿入操作が可能であり、動物細胞への挿入効率は非常に高く、細胞へのダメージはない。この技術を応用し、本研究ではナノ針の表面に抗体を修飾し、細胞に挿入、抜去した時の力学応答から細胞内繊維状タンパク質の検出を行った。細胞種に特異的に発現するマーカータンパク質を標的とすることで細胞の識別が可能である。神経幹細胞のマーカーである中間径フィラメントnestinを標的とし、モデルとしてマウス胚性腫瘍細胞P19をnestin陽性、マウス繊維芽細胞NIH3T3をnestin陰性細胞として用いた。抗nestin抗体修飾ナノ針を用いてP19とNIH3T3に対して力学測定を行ったところ、P19では抗原抗体複合体を引き剥がしたと考えられる1-3nNの特異的な力が検出され、NIH3T3では観察されなかった。力検出された細胞は免疫染色においても特異的に染色され、生きた細胞を識別が可能であることが示された。P19をレイチノイン酸含有培地で浮遊培養を行い、神経細胞に分化誘導を行い、神経細胞マーカータンパク質であるneurofilamentの検出を行った。樹状突起が伸展した細胞に対して抗neurofilament抗体修飾ナノ針および抗nestin抗体修飾ナノ針を用いて力学測定を行った結果、neurofilament陽性、nestin陰性であった。免疫染色の結果と一致し、神経細胞の識別に成功した。この方法では生きた細胞をネイティブな状態で識別できると考えており、安全な細胞を提供できることから移植医療への貢献を目指している。
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Research Products
(7 results)