2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内情報経路を標的としたハイスループット型リン酸化タンパク質分離材料の創製
Project/Area Number |
08J09116
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
水城 秀信 The University of Kitakyushu, 国際環境工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リン酸化アミノ酸 / 多孔性中空糸型グラフト重合膜 / 官能基 / Zr(IV)イオン / Gaイオン |
Research Abstract |
リン酸化タンパク質を高速かつ選択的に精製するまでの研究プロセスとして、第1にリン酸化アミノ酸の分離、精製を行い、第2にリン酸化タンパク質を酵素で切ることによりリン酸化ペプチドとし、これらの分離段階での選択性を調査することで従来の精製剤よりも高精製な新規リン酸化タンパク質の調製を目指す。 タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちチロシン(Tyr)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)残基のみへのリン酸基の付加によって起きる。本研究ではモデルリン酸化アミノ酸としてリン酸化チロシンを使用した。 多孔性中空糸型グラフト重合膜を用いて、Zr(IV)-リン酸複合体の構造調査およびZr(IV)-リン酸複合体に対するリン酸化チロシンの吸着性の調査を行った。また、多孔性中空糸型グラフト重合膜の官能基を簡便に変えることができる利点を用いて、官能基および金属をリン酸基とZr(IV)以外のものを使用し組み合わせをそれぞれ変えることで、リン酸化タンパク質の精製材料としてどの組み合わせのものが適しているかをリン酸化チロシンの吸着性能を調査することで評価した。 NMG-Ga膜およびAHP-Ga膜についてはどの膜よりも高いリン酸化チロシンの吸着量を得ることができたため、Gaの固定化量を増やすことでより、リン酸化チロシンに対する高吸着能を期待できる。また、IDA-Zr膜について、金属1つあたりに対するリン酸化チロシンの吸着量が上がっていたため、Zr量を増やすことでリン酸化チロシンのより高い吸着性が期待されることが分かった。
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Research Products
(4 results)