2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ時空間制御放電による液体プラズマプロセスの創製とソフトマテリアルへの応用
Project/Area Number |
08J09179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
緒方 健 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロプラズマ / 大気圧 / ガス温度 / 電子密度 / マイクロ波 / 生体材料 / ストリップライン / 電子温度 |
Research Abstract |
本研究は[A]液中におけるプラズマ発生[B]液中におけるプラズマの診断[C]液中におけるプラズマのソフトマテリアルへの応用に関する総括的な知見を得ることを目的とするものである。平成20年4月から12月にわたる研究成果を以下にまとめる。研究内容は下記の項目より構成される。1、液中におけるニードルプラズマの発生とそのスペクトル診断。2、マイクロは援用型マイクロプラズマの液中への適用を目指したOH発行スペクトル診断。1、液中においてプラズマの発生に成功した。発生は5μm程度のマイクロギャップ間に幅50nsのパルスを1〜100Hzのインターバルで8kV程度印加することにより行われた。これにより水中におけるプラズマの発生に成功した。しかし、一般に液中プラズマは熱平衡に達するといわれており電極として用いたタングステンワイヤーがダメージを受け、そのためギャップ間隔が広がり電界が弱まり、安定放電に至らないという現象が確認された。また、スペクトル診断においては50nsのパルスを1〜100Hzで印加しているため発光強度が弱く、また金属による発光スペクトルと混在することで、OH付近における(310nm付近)鮮明なスペクトルは観察されなかった。Cu,W両電極において同様の傾向が見られた。2、Strip-line microwave micro atmospheric plasma(SMMAP)を用い液中プラズマ診断の際に重要となるOHの回転温度を測定した。それによるガス温度とN_2の回転温度から産出されたガス温度を比較することでSMMAPの内部状態の特異性を考察した。SMMAP内部においてはPQRブランチ間で平衡状態が崩れる現象が確認された。たとえばRブランチはPブランチよりも回転温度が400K程度高くなるような現象が確認された。
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