2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09187
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬戸 あづさ The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 転写 / 結晶構造 / タンパク質 / HLH / X線 |
Research Abstract |
本研究では「新規転写抑制因子GCIP/HHMの結晶学的解析」と題し、TGFβシグナル下流に存在するタンパク質であるGCIP/HHMの構造の解明に取り組んだ。初期スクリーニングによって得られた結晶に還元剤TCEPを加えることにより、分解能を6.0Åから3.5Åまで向上させ、GCIP/HHMが10本のヘリックスから成るバングル構造を持つことを明らかにした。しかし、モデル構築を行うには、分解能のさらなる向上が必要となり、複数の手法を用いて分解能向上を目指し、複数の手法を試みた。その結果、有機水銀化合物によるシステイン残基の非特異的結合の阻害により結晶の改善が見られた。改善された結晶では、分解能を3.05Åまで向上させることに成功し、モデル構築が可能な電子密度マップを得た。この電子密度マップより、GCIP/HHMの10本のヘリックスは、5本ずつの2本の束に分かれ、HLH領域によってつながったV字型の構造を持つことが明らかとなり、GCIP/HHMのHLH領域は、他の蛋白質のHLH領域に比べ、鋭い角度で曲がっていることが判明した。GCIP/HHMのHLH領域に存在するアミノ酸配列に類似した配列はまだ見つかっていないため、新規の構造であるさらに得られた構造より、GCIP/HHM分子の外側を向いているシステイン残基をセリン残基に置換した変異体を用いることにより、分解能を2.5Åまで向上させ、より詳細な部分の構造学的議論を行うことが可能になった。現在、共同研究者による機能解析の結果と照会し、論文を執筆中である。
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