2009 Fiscal Year Annual Research Report
発熱型荷電交換反応によるアイソベクトル型スピン単極子共鳴状態の探索
Project/Area Number |
08J09206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野地 俊平 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発熱型荷電交換反応 / アイソベクトル型スピン単極子共鳴 / SHARAQスペクトロメーター |
Research Abstract |
本研究は,原子核のアイソベクトル型スピン単極子共鳴を確立することを目的とする.実験は,理化学研究所RIBF施設に建設したSHARAQスペクトロメータを用いて行うことを計画している. 今年度は,前年度2009年3月に行った初めてのSHARAQスペクトロメータのコミッショニング実験に引き続き,2009年5月に2度目のコミッショニング実験を遂行した.ここでは,不安定核ビーム生成,検出器の基本性能の評価,分散整合ビーム輸送を成功裏に行い,物理実験を行うための重要なデータを取得することができた.このデータも踏まえて実験条件の詳細な検討を行い,2009年6月に開かれたRIBF核物理実験課題審査委員会に,"Development of the exothermic charge-exchange reaction as a new spin-isospin probe and its application to the observation of the isovector spinmonopole resonance in ^<90>Nb"と題する実験課題プロポーザルを提出した.ここで6.5日のビームタイムを申請して,その全てが認められた.その後は,2009年11月に行った実験において,検出器開発のための基礎データを取得して詳細な解析を行うとともに,2010年度中に行う予定の本実験に向けて準備を進めた. 2009年8月には,米国ローレンス・バークレイ国立研究所にて開催された不安定核物理サマースクールに,10月には,ハワイ島で開催された第3回日米物理学会合同核物理分科会に,それぞれ出席し,現在の研究の進捗状況について報告するとともに,不安定核ビームを用いた原子核物理学実験およびその反応理論についての情報収集を行った.また,2010年2月に東京大学にて開催された国際会議SIR2010においても,本実験の内容についての口頭発表を行った.
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Research Products
(3 results)