Research Abstract |
本年度は,まず,第一期ピンセット型デバイスについて操作性や各フィードバックの適切さなどについて評価することを目標とし,2008年7月の予感研究所2においてアンケート調査を行った.その結果,「思い通りに操作できたか」という操作の容易さを問う質問については9割の体験者が「できた」あるいは「まあまあできた」と回答した. 本研究ではユーザがその操作方法を直観的に理解できるよう,各デバイスは外観だけでなく操作方法や操作結果の応答・確認用のフィードバックも,その道具らしいものとする.ピンセット型デバイスについて,実物同様の力覚フィードバックを持たせるため,反力提示機構にはラチェット式,ドラムブレーキ式の2種類のブレーキ機構を導入した.後者の導入によって挟んでいる物の大きさだけでなく,硬軟に応じた反力提示が可能となった.アンケート調査の結果,7割の体験者が「操作対象の硬さの違いがわかった」と回答した. また,上記と平行して加工用デバイスに着手した.まずは対象とする作業内容を定め,必要な機能を列挙・抽象化した.選択・移動用とは異なり,加工にはさらに細かい作業(切る,叩く,削る等)が含まれる.本研究ではこれを先端着脱型デバイスとして実装することとし,必要な本体と着脱部を設計した.具体的には,着脱部には,「切る」操作にはナイフ,「叩く」操作にはハンマなど,その用途がイメージしやすい外観を持たせ,本体は着脱部に依存せず,把持しやすい形状であることを重視した.また,デバイスには空間型作業で利用するための各種センサや,道具ならではの触感・操作音を提示する機構を内蔵する必要がある.これらの機構は,着脱部によらず共通の機構(位置姿勢検出機構,スピーカ,振動機構など)を本体に,それ以外の機構(ハンマで叩いたことを検出する加速度センサ,ナイフが対象に接したことを検出するタクトスイッチ等)を着脱部に内蔵した.
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