2008 Fiscal Year Annual Research Report
新統計的手法を用いた次世代知的インタフェースに関する研究
Project/Area Number |
08J09227
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
尾山 匡浩 The University of Tokushima, 大学院・先端技術科学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 追加学習 / EMG / 判別分析 / 主成分分析 / Incremental Simple-FLDA / Incremental Simple-PCA |
Research Abstract |
本研究の目的は,手首から採取した筋活動電位(EMG)を用いて,手首動作の認識を行うシステムを構築し,そのシステムを用いてポインティングデバイスなどのインタフェース装置を開発することである。本研究の特徴的な点は,手首からEMGを採取していることであり,これにより電極を着脱する際の利便性が向上すると考えられる。しかしながら,EMGには個人差があり再現性も低いことから,より精度の高い認識システムを構築するためにはシステムが使用者に適応していく必要がある。そのため,今年度は追加学習機能を持つオンラインチューニングシステムの開発を目指した。 本研究では,追加学習機能を実現するために,まず主成分分析の近似アルゴリズムであるSimple-PCAに追加学習機能を持たせたIncremental Simple-PCAや判別分析の近似アルゴリズムであるSimple-FLDAに追加学習機能を持たせたIncremental Simple-FLDAといった高速な新しい統計的アルゴリズムの開発に取り組んだ。これらのアルゴリズムの特徴としては,従来のアルゴリズムでは行列演算が必要なのに対して,繰り返し演算のみで高速に特徴ベクトルを導出できる点である。そのため,使用者がストレスを感じることなく,学習していくことが可能であると考えられる。次にこれらの追加学習アルゴリズムを認識システムに組み込み,手首7動作の識別を行うオンラインチューニングシステムを構築し,3人の被験者に対して追加学習実験を試みた。その結果,個人差はあるものの最終的に90%程度の認識率を得ることができた。また,開発したアルゴリズムをEMGの認識だけではなく,顔画像を用いた個人識別問題などにも応用した結果,その有効性を示すことができた。本年度は,これらのEMGや顔画像に関する研究結果を学術論文1編,国際会議論文3編,国内学会3件にて発表している。
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Research Products
(7 results)