2008 Fiscal Year Annual Research Report
再突入飛行環境下での衝撃層と印加磁場との干渉効果に関する基礎実験研究
Project/Area Number |
08J09240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河村 政昭 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 再突入 / 弱電離プラズマ / 印加磁場 / 熱防御システム / 超音速流 |
Research Abstract |
宇宙飛行体が大気圏に再突入する際の次世代型の熱防御システムの1つに、「電磁場を利用した高温弱電離気体の制御」がある。本システムに関する研究は、これまで数値計算によるものが主であったが、様々な基礎実験研究を通して、実験的にも徐々に解明されてきた。本システムの実機適用性を考慮した場合、数値計算との定性的な比較検討から定量的な比較検討へと移行していくことが重要である。そこで、本年度は数値計算との定量的な比較検討を行うことを目的として研究を行った。 数値計算との比較検討を行うにあたり、現在実験で使用している小型のアーク加熱風洞の気流条件をできる限り正確に把握しなければならない。弱電離プラズマ流の場合、中でも電子温度、電子密度が重要なパラメータとなってくるため、プローブ法によりプラズマの気流診断を行った。その結果、過去に行われた気流診断から得られたデータと同じような数値を得ることができた為、数値計算との定量的な比較検討への大きな後押しとすることができた。また、実機適用性を考慮した場合、磁場発生機構を従来の「永久磁石」からより強力な磁場を発生できる「超電導磁石」へと変更する必要があるが、永久磁石の中でもより強力な磁場を発生できる永久磁石を使用することが可能であった為、超電導磁石を用いた実験に対する予備的な実験として、より強力な永久磁石による実験を行った。その結果、印加する磁場強度を強くするに従い印加磁場の効果が頭打ちとなる傾向が得られた。これは予測とは大きく異なる結果であった為に、実験結果に対して様々な検証を徹底的に行ったが、揺るぎない結果であった。これは、印加磁場の効果に対する新たな知見と言える。数値計算との定量的な比較検討は、本システムを実機に適用するにあたり必要不可欠である為、早急にその物理メカニズムを解明していかなければならない。
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Research Products
(3 results)