2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09281
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイオアクチュエータ / 昆虫細胞 / 背脈管 / マイクロロボット |
Research Abstract |
近年、筋肉細胞をマイクロアクチュエータとして活用しようという研究がおこなわれているが、それらはラットの心筋細胞を用いているため、細胞培養しその収縮能を維持するため、精密な環境の制御が必要であった。そのために、頻繁な培養液の交換、インキュベータ(37℃、5%CO_2)の使用が必要不可欠であり、デバイスの応用範囲が限定されておいた。また、細胞の寿命も1週間程度であった。そこで、本研究では培養条件に寛容な昆虫の心臓である背脈管組織およびその細胞に着目し、そのバイオアクチュエータとしての応用を試みた。まず、培養条件の検討をおこなった結果、TC-100培地おいて最大130日に渡って自律的収縮を続けることが分かった。そこで、背脈管をマイクロピラーアレイにアセンブリし、自律的収縮によりマイクロピラーを駆動することに成功した。また、駆動可能な温度域は、5〜35℃であった。次に、その背脈管組織の収縮の制御法として、電気的刺激および化学的刺激を評価した。まず、電気パルス刺激により、わずか約50msの遅れで背脈管の収縮を引き起こすことができることを確認した。さらに、10Hz以上の周波数の電気刺激を与えることにより、収縮状態を維持できることが分かった。また、甲殻類心活性ホルモン(CCAP)を添加することにより、一時的に背脈管の収縮を活性化し、自律的収縮の周波数を一時的に4倍以上増幅できることが分かった。最後に、シリコンゴム製のマイクロ構造体に背脈管をアセンブリすることにより、世界で初めて室温にて自律的に駆動するマイクロバイオロボットを実証した。
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Research Products
(10 results)