2008 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性単電子トランジスタを用いたユニバーサルメモリに関する研究
Project/Area Number |
08J09299
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
友田 悠介 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エレクトロマイグレーション / ナノギャップ / 強磁性トンネル接合 / 強磁性単電子トランジスタ / トンネル磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
本研究では、単電子トランジスタを作製する材料として強磁性体を選択した強磁性単電子トランジスタ(Ferromagnetic Single-electron Transistor:FMSET)を提案している。FMSETでは、SETの単電子帯電効果と磁気によるスピン依存トンネル効果による相互作用により、電荷と磁気を記憶量とする新しい素子機能を実現できる可能性がおる。FMSETの一つであるRC結合型FMSETでは、ゲート電圧の掃引によりドレイン電流の4状態が実現できることが理論的な検討により示されており、このような超低消費電力性と多値記憶機能を併せ持つ新機能デバイスであるFMSETの実現を目的としている。FMSETを作製する上で、その基本構造である単一障壁のプレナー型強磁性トンネル接合の特性を理解することは不可欠である。そのため、まずはプレナー型強磁性トンネル接合の電気的・磁気的特性の検討・考察を行い、そこから得られた知見を元に、同手法を用いてプレナー型FMSETの作製を行った。 本年度はこれまで研究してきたプレナー型強磁性単一トンネル接合の知見を生かし、OOMMFを用いたマイクロマグネティックシミュレーションにより、安定な反平行状態を作り出せるチャネル形状を検討した。本素子の基本構造の作製にはEBリソグラフィーとリフトオフプロセスを用いて、計算によって得られた知見をもとに100nmのチャネルを有する素子形状に反映させた。その後のプレナー型強磁性単一トンネル接合の作製にはエレクトロマイグレーション法を用いた新規な作製技術を用いた。作製した素子の電気的・磁気的特性の検討の結果、エレクトロマイグレーションにより作製したナノギャップが真空のトンネルバリアとして機能していることが示唆された。また、同様の手法を用いてFMSETの作製を行い、電気的特性の評価から室温での動作を確認した。
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Research Products
(16 results)