2009 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性単電子トランジスタを用いたユニバーサルメモリに関する研究
Project/Area Number |
08J09299
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
友田 悠介 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エレクトロマイグレーション / ナノギャップ / 強磁性トンネル接合 / 強磁性単電子トランジスタ / トンネル磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
本研究で提案している強磁性単電子トランジスタ(Ferromagnetic Single-electron Transistor : FMSET)では、SETの単電子帯電効果と磁気によるスピン依存トンネル効果による相互作用により、電荷と磁気を記憶量とする新しい素子機能を実現できる可能性がある。FMSETの一つであるRC結合型FMSETでは、ゲート電圧の掃引によりドレイン電流の4状態が実現できることが理論的な検討により示されている。このような超低消費電力性と多値記憶機能を併せ持つ新機能デバイスであるFMSETを作製するためには、その極微な素子構造上、新しい作製技術が要求される。本研究では新規な作製手法として、エレクトロマイグレーション(Electromigration : EM)により作製したナノギャップ電極の応用を提案・検討してきた。電界放射電流誘起型EM(アクティベーション)では、あらかじめ用意した数十nmのギャップを、電界放射電流により活性化された金属原子の移動を誘起することでギャップの狭窄化により、ナノギャップを得る手法である。このアクティベーション法により作製した素子の磁気抵抗特性は、単一のNi-vacuum-Ni系強磁性トンネル接合においておよそ理論値と一致する12%、多重接合系において数100%の巨大な磁気抵抗比を示した。この巨大な磁気抵抗特性は、アクティベーション法により移動した原子の一部が、初期ギャップ内にとどまることによりアイランドとして機能することで得られた、多重接合系FMSETにおける磁気抵抗の増大が起源であると示唆される。さらに、通電電流、初期ギャップ幅等により、アイランドのサイズ・数を制御できることが明らかとなっている。これは、作製するSETの特性を本手法により制御可能であることを示唆しており、本手法による簡便な強磁性単電子トランジスタ作製の可能性が示された。
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Research Products
(6 results)