2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンフォールド蛋白質αシヌクレインのエンジニアリングとナノ構造体構築への応用
Project/Area Number |
08J09393
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小林 夏季 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | αシヌクレイン / アミロイド線維 / ナノマテリアル / ボトムアップ / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究は、機能性蛋白質が付加されたαシヌクレインの自己組織化により、機能性ナノマテリアルをボトムアップ的手法により容易に構築できる技術の開発を目的とする。機能性蛋白質をαシヌクレインに付加する方法として、(1)αシヌクレインとの融合蛋白質として発現させる方法と、(2)発現後にαシヌクレインに機能性蛋白質を修飾する方法が考えられる。そこで、上記2通りの方法でαシヌクレインに機能性分子を付加する方法を検討するため、変異αシヌクレインを構築することおよびその特性検討を、第1年度目の目的とした。 現在までに、(1)αシヌクレインに付加する機能性蛋白質のモデルとして、蛍光蛋白質であるGFPを融合したαシヌクレインの構築、(2)様々な分子の修飾に利用できるCys残基をαシヌクレインC末端に付加した変異体(α-Syn+C)の構築およびその特性検討を終えている。(1)について、大腸菌による組み換え生産用の発現ベクターの構築を終えている。今後は、大腸菌による組み換え生産、精製方法の検討および、特性検討を行う予定である。(2)について、α-Syn+Cを構築し、その特性検討を行った。その結果、α-Syn+Cは生理条件下にてCys残基のジスルフィド結合を介した2量体を形成することが確認された。そこで、この結合を切断するために還元剤(DTT)共存下で、線維形成能の検討を行った。α-Syn+Cは野生型と同様に線維形成することを確認した。αシヌクレインのC末端領域は、線維形成後に線維表面に露出することから、Cys残基は表面に露出していると考えられる。今後は、露出したCys残基への化合物の修飾、または単量体のα-Syn+Cへ修飾後の線維形成について検討する。
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Research Products
(2 results)