2008 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光を用いた三次元微細加工技術の確立に関する研究
Project/Area Number |
08J09394
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
洞出 光洋 Ritsumeikan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シンクロトロン放射光 / LIGAプロセス / 三次元加工 / テフロン【○!R】 / フッ素樹脂 / TIEGAプロセス / PMMA / PTFE |
Research Abstract |
本研究では、SR光リングラフィによる高精度三次元微細加工技術の確立を目的とし、新規三次元加工法の提案を行った。従来手法の課題であるプロセスの複雑性、材料加工の困難性、製作可能な構造体が限定される点を考慮し、本研究では整形ビームにオーバーラップ走査法を採用したマスクレス露光法を提案し、自由曲面を有する構造体の作製を可能にした。また本来の目的に沿い、任意の形状を可能にすることを目指し、目標形状を作製するために必要な工程条件を導き出すというアプローチに取組み、任意の自由曲面を有する目標形状作製を可能にした。また、実験開発の高度化をはかる目的で、SR光リングラフィの加工メカニズムの解明、及び最適加工条件を提示することを目指した。従来のSRリングラフィでは加工深さとX線ドーズ量のみの関係に着目していたが、X線リングラフィによる加工深さがX線ドーズ量のみならず現像時間に大きく依存することを明らかにするとともに、被加工物であるPMMAの表面損傷吸収エネルギー量および現象限界吸収エネルギー量を求めることで、目標加工形状に対する最適加工条件を提示した。さらに加工メカニズムを詳細に調査し、加工深さのばらつきの原因としてマイクロローディング効果による影響を実験的に明らかにした。また、三次元形状予測のために考案したアルゴリズムを用い、加工形状がX線の入射方向のみでなく等方的に決定されることを明らかにした。本研究では、これまで難加工材として微細加工技術が進展していなかったフッ素樹脂の三次元微細加工についても研究を行った。PTFEのSR光によるアブレーション加工の特性について詳細な調査を行い、X線のエネルギー量と照射時間から自由曲面を有する三次元微細構造体の加工形状の予測ができることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)