2009 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた時空間分析による近世京都の歴史地理学的研究
Project/Area Number |
08J09403
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
塚本 章宏 Ritsumeikan University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | GIS / 歴史地理 / 近世 / 京都 / 時空間分析 / 歴史資料 |
Research Abstract |
今年度の研究実施状況は、大きくは3つに分けることができる。 1、近世期の京都に関わる歴史資料を歴史地理情報データベースとして作成 今年度は、近世京都の出版図、版元、交差点地名のデータベース・GIS化を進めた。出版図については、GISの空間分析機能を用いて、出版図における「省略される地域」と「強調される地域」を抽出することができた。版元については、その空間的分布が時代を経るに従って幹線道路から細かい路地へと拡散していくことが確認された。交差点地名は、京都特有の格子状の道路網に着目し、縦の通(とおり)と横の通との交差点ポイントで地名データを作成し、GISを通して近世近代期の文献資料を結合することによって、歴史資料の時空間分析を容易にした。それぞれの成果は、国内外の学会・研究会で発表を行った。 2、国外での研究発表及びHistorical GIS/Digital Humanitiesに関わる研究者との交流 2009年6月に米国メリーランド大学で開催されたDigital Humanities2009、11月に米国ロングビーチで開催された35th Annual Meeting of the Social Science History Associationにおいて口頭発表を行った。また、2010年2月から、日本学術振興会による優秀若手研究者海外派遣事業で米国ハーバード大学での在外研究を進めている。Historical GISに興味を持つ研究者との交流・意見交換を通し、今後の研究についての協力関係を築きつつある。 4、歴史分野・GIS分野・複合分野での口頭発表、研究協力 最新の情報技術を用いて歴史資料をいかに分析することができるかという本研究課題の興味関心は、GISをハブとして、多くの隣接分野と共有できる。積極的に他分野での口頭発表・データの共有を試み、コンピューター上で3次元的に歴史景観を復原する成果を発表した。
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