2009 Fiscal Year Annual Research Report
既存不適格建物の耐震補強に用いる鋼材ブレースのエネルギー吸収性能評価
Project/Area Number |
08J09406
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 良太 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 耐震ブレース / 制振型ブレース / 時刻歴応答解析 / 部材破断 / 局部座屈 / 有効座屈長 / 累積変形性能 / エネルギー吸収性能 |
Research Abstract |
2年度目となる平成21年度においては,ブレース部材を用いた既存不適格建物の耐震性能を評価するために用いられる時刻歴応答解析手法について検討した。耐震設計においては,建物が保有する終局時の耐力を適切に評価する必要があり,地震時における部材の応答挙動を定量的に捉える事が,建物の耐震性能を評価する上で有効な手段となる。想定以上の地震力がブレース付建物架構に入力された場合,座屈を伴うブレース部材が繰返し軸力を受け破断する可能性があるが,現状の一般的な設計法では部材破断は考慮されておらず,建物の終局状態の耐力評価にはブレース部材破断を定量的に評価することが肝要となる。 昨年度までに得られた座屈を伴うブレース部材が破断に至るまでの累積変形性能を,部材の履歴性状の影響を加味して再評価し,三次元構造物の時刻歴応答解析手法へ組込む方法について検討を行った。構築した解析手法を用いることにより,想定以上の激震が入力された際のプレース付建物架構の時刻歴応答を定量的に評価し得るものと考えられる。 また,日米共同研究の一環として実施された実大三次元震動破壊実験施設を用いた制振部材付構造物の振動載荷実験に参加する機会が得られた,対象試験体の設計時には,これまで検証したエネルギー吸収型制振ブレース部材の評価法が用いられ,実験を通してその評価法の有効性を確認した。 さらに,これまでに分析,検討した研究成果を「11.研究発表」に示す論文,国内会議及び国際会議の場において発表し,国内外を問わず様々な研究者と交流を深め,研究を進める際の見識が広げられた。
|