2008 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーカミオカンデにおけるWIMP対消滅ニュートリノの探索
Project/Area Number |
08J09484
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 隆之 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニュートリノ / ダークマター |
Research Abstract |
申請者がコラボレーターとして研究を行っている、ニュートリノ検出器であるスーパーカミオカンデ検出器では本年度信号を読み出すためエレクトロニクスのアップグレードが行われた。申請者はこのアッープグレードに際し、その性能試験に関して中心となって作業を行った。この作業を通し、このエレクトロニクスの入力出力間の線形性や、一つの光子が入射したときの応答を精密に調べた。これらにより、新しい読み出しエレクトロニクスの特性に関する係数を決定し、新しいエレクトロニクスでこれまでと同様に正しく実験を行っていくための基礎作りを行うことが出来た。 また、研究のメインテーマである宇宙に存在する未知の粒子であるダークマターWIMP起源のニュートリノ探索については、現在あるすべてのスーパーカミオカンデのデータを用いて探索する手法を新たに導入し、まだ探索されていなかったより低い質量領域まで存在領域に対する制限を付けることができた。これにより理論から存在を予言されている領域に世界で初めて食い込む、世界最高の制限を付けることに成功した。この成果に関してはニュージーランドで行われた国際会議で発表された。 今後、他の様々な理論パラメータに対して制限を付けたり、他の実験との比較を行うために、アメリカで行われたシミュレーションツールの勉強会に参加し、ツールの使い方を学んだ。そこでは同様の探索を行っている研究者と意見交換をすることで、最新の知識を得たり、今後の自身の解析の方法に対する方針を固めることが出来た。
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