2009 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における高齢者ソーシャルワークの実践モデルの開発に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
08J09496
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
武居 幸子 Sophia University, 総合人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会福祉 / ソーシャルワーク / 地域包括支援センター / 高齢者 |
Research Abstract |
地域包括支援センターの社会福祉士のソーシャルワーク実践について調査と分析を進めた。 まず、昨年度実施した地域包括支援センターにおける援助事例分析をさらに発展させた。援助事例分析の目的は、在宅高齢者のニーズおよびソーシャルワークの機能をより詳細に明らかにすることである。昨年度実施した13事例の分析に加え、新たに2カ所の地域包括支援センターの社会福祉士4名の協力を得て、11事例を分析した。分析にはソーシャルワーク理論であるエコロジカル視点に基づいて作成した枠組みを用いた。エコロジカル視点によれば、ニーズはライフ・ストレッサーとそれに対する人間のコーピングの相互作用から生じると考えられる。本研究においては、援助事例ごとのケース記録の文書分析、援助を受けている高齢者への個別インタビューおよび担当ソーシャルワーカーへの個別インタビューの逐語録の分析により、在宅高齢者のライフ・ストレッサーとコーピング、および高齢者に対するソーシャルワーカーの支援を捉えた。高齢者のコーピング・タイプは、多様なコーピング行動を併用しながらライフ・ストレッサーに対処する「高コーピングタイプ」、いずれのコーピング行動も取ることが少ない「低コーピングタイプ」、問題そのものの解決をはかろうとする「積極的問題解決タイプ」、趣味や娯楽等により気分転換をはかることで対処しようとする「気分転換タイプ」、物事に対する自分の考え方を変えることによって対処しようとする「視点転換タイプ」に大きく分けられることがわかった。高齢者のコーピングタイプによって、ライフ・ストレッサーとの相互作用のあり方に特徴があり、それに合わせてソーシャルワーカーは支援を行っていることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)