2008 Fiscal Year Annual Research Report
全光フリップ・フロップモノリシック集積化によるワンチップ全光パケットスイッチング
Project/Area Number |
08J09521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 浩司 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 全光フリップ・フロップ / 光集積回路 / 全光信号処理 / 双安定レーザー / 多モード干渉 / 分布ブラッグ反射鏡 / オフセット量子井戸 / InP系化合物半導体 |
Research Abstract |
現在の長距離光通信において、信号処理を必要とするルーター部などでは光信号を一度電気信号へ変換し、信号処理を行った後に再度光信号へと変換し直して伝達を行なっている。この光/電気/光の変換および電子回路における消費電力やフットプリントの増大が問題となりつつある。そこで、光信号を光のまま信号処理を行う、「全光信号処理」の開発が進められている。中でも全光メモリ素子は全光信号再生などの用途からも実現が期待されている素子である。我々はこれまで多モード干渉(MMI)導波路を中心とした双安定レーザーの全光フリップ・フロップ機能の提案開発を進めてきた。この全光フリップ・フロップは他の導波路型機能素子とモノリシックに集積化が可能であるという利点がある。この利点を生かし、全光スイッチと集積化し、全光信号処理での実現が期待されている全光パケットスイッチングの実現することを目的とする。光機能素子同士の集積化により、ファイバーと素子との結合損を無くし効率の改善が期待され、また必要とするペルチェ温度調節器の個数を減らすことができるため、大幅な消費電力の削減が期待されている。本年度は、この集積化素子の実現のためのステップとして、1枚のチップ上に全光フリップ・フロップとスイッチを同時に作製し、個別に特性評価を行なった。フリップ・フロップと同一の手法でスイッチを作製することに成功し、初めて全光スイッチ動作を実証した。個別の素子評価から、フリップ・フロップからの出力光強度でスイッチが駆動可能であることが分かり、これは集積化実現のための大きな一歩と言える。合わせて、量子井戸の最適化を行なうことによる偏波無依存動作と、DBR領域の屈折率変調による波長可変動作も実証した。
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