2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動型光触媒と白金代替触媒の複合化による新規水素発生系の構築
Project/Area Number |
08J09524
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 弘明 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 電子移動状態 / 白金代替金属 / 水素 / 光触媒 / 非ヘム鉄オキソ錯体 |
Research Abstract |
【1.水素発生触媒の最適化と光触媒との複合化】 これまで水素発生触媒として白金ナノ微粒子が用いられているが、そのサイズ及び形状依存性についてはほとんど報告例が無かった。以前、光触媒から水素発生触媒への電子移動速度を決定した方法を用いて、水素発生触媒のサイズ及び形状がその反応速度に与える影響について詳細な検討を行った。その結果、最適なサイズは形状によって異なり、球状のナノ微粒子では4.5nm、キューブ状のナノ微粒子では6.3nmで最大の活性を示すことを見いだした。 さらなる水素発生システムの高効率化、簡素化を達成するために光触媒と水素発生触媒の複合化について検討した。その方法の1つとして、光触媒と水素発生触媒多孔質の両方をメソポーラスシリカ内へ挿入することによる複合化に挑戦した。その結果、白金ナノ微粒子と電子移動型光触媒であるAcr^+-Mesが同一のメソポーラスシリカに吸着した複合触媒の開発に成功した。 【2.ノンヘム高原子価金属オキソ種の反応性とその生成メカニズム】 水の完全分解に用いる酸化触媒としてノンヘム高原子価金属オキソ種に注目し、光合成反応中心と同様に水を電子源とする触媒サイクルを達成するための触媒探索を行った。その中でも鉄及びマンガンオキソ錯体に注目し、その電子移動特性の解明を行った結果、これまで分かっていなかったオキソ錯体の電子移動特性である一電子還元電位や再配列エネルギーなどを決定することができた。 従来、このようなノンヘム高原子価金属オキソ種は過酸化水素やヨードソベンゼンといった酸化剤の添加により生成していた。このノンヘム高原子価金属オキソ種を電子移動酸化により生成した例はほとんどありません。そこでルテニウムトリスビピリジン錯体を光触媒として高原子価金属オキソ種の生成について検討した結果、光触媒的高原子価金属オキソ種の生成に成功した。
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Research Products
(5 results)