2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規ABCトランスポーターABCG4の生理的機能の解明:神経変性疾患との関連
Project/Area Number |
08J09634
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小柴 梢子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ABCトランスポーター / ABCG4 / 脂質の恒常性維持 / 神経変件疾患 / ノックアウトマウス / 能動型相同組み塩換え反応 / 蛍光免疫染色 / 細胞表面ビオチン標識実験 |
Research Abstract |
新規ABCトランスポーターABCG4は、コレステロールなどの脂質の輸送に関与すると考えられている。本研究では、ABCG4が脳における脂質の恒常性の維持を担い、神経変性疾患の発症予防に寄与するという仮説を立て、in vivoおよびin vitroの両面から、ABCG4の生理的機能を解明することを目的とする。平成20年度は、Abcg4ノックアウトマウスの作製のためのAbcg4遺伝子ターゲッティングベクターの構築とヒトABCG4の細胞内発現部位の特定を行った。 1)Abcg4遺伝子ターゲッティングベクターの構築 マウスAbcg4遺伝子のcDNA配列とゲノム配列から、エクソン/イントロン構造を解析し、欠失させる領域をATP結合部位をコードする第3から第6エクソンとした。次に、欠失させる領域を薬剤耐性遺伝子配列と入れ換えたDNAフラグメントを作製し、Abcg4遺伝子のBACクローンを含む大腸菌内で能動型相同組み換え反応を誘導させた。薬剤耐性コロニーを選択し、得られたプラスミドのシークエンス解析および制限酵素マッピングを行い、目的とするコンフィグレーションを持つターゲッティングベククーの構築に成功した。 2)ヒトABCG4の細胞内発現部位の特定 ヒトABCG4のcDNA配列をcDNAライブラリーからクローニングし、pcDNA5/FRTベクターに組み換えた。当該ベクターを用い、Flp-In-293細胞にABCG4を安定発現させた。独自に作製した抗ABCG4抗体による蛍光免疫染色を行った結果、ABCG4が主に形質膜に局在していることが明らかとなった。さらに、細胞表面タンパク質のビオチン標識・精製実験を行った結果、形質膜上のタンパク質を含む画分においてのみ、ABCG4の発現が認められたことからも、ABCG4が形質膜に発現することが明らかとなった。
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