2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィトケミカルによるABCトランスポーター発現誘導と癌予防
Project/Area Number |
08J09635
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 達彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ABCトランスポーター / フィトケミカル / 癌予防 / 発現誘導 / 親電子性物質 |
Research Abstract |
親電子性物質によりヒト薬物トランスポーターであるABCC1、ABCC2、ABCG2の発現量が上昇する。薬物トランスポーターの発現誘導は、発癌物質の代謝を促すことで癌の予防に繋がることが予想される。フィトケミカル摂取とABCトランスポーター発現誘導との因果関係の解明を目的とし、フィトケミカルによる癌予防効果をABCトランスポーターの発現誘導という指標から評価することを目的とした。 本研究ではABCトランスポーターの中でも特に異物代謝に大きく関与するABCB1、ABCC1、ABCC2、ABCG2に焦点を絞った。これら4種類のABCトランスポーター発現を誘導する化合物の探索を行った。ABCトランスポーターの発現を誘導する化合物の探索するための研究試料として、ヒト肝臓癌由来細胞株HepG2細胞を用いる。〓タマネギに含まれるケルセチンや大豆イソフラボンであるゲニステインを始めとしたフィトケミカル〓核内レセプターをはじめとした転写因子のリガンドまたは活性化剤、および〓ABCトランスポーターの基質または阻害剤、計47種類の化合物をABCトランスポーターの発現を誘導する可能性のある化合物として試験化合物とした。 ABCB1、ABCC1、ABCG2はmRNA量がControlの1.5倍、ABCC2はmRNA量がControlの2倍上昇した化合物を候補としたところ、29種類の化合物がABCトランスポーター遺伝子の発現を誘導する候補に挙がった(図1)。ここに候補化合物の一例して、フィトケミカルにおいてはGenistein、Quercetin、Rutinなどの7種類、核内レセプターのリガンドをはじめとする転写活性化剤Lithocholic acid、b-estradiol、9-cis-Retinoic acidなどの15種類、ABCトランスポーターの基質や阻害剤ではSN-38、Doxorubicin、Vinblastineなどの7種類がいずれかのABCトランスポーター遺伝子の発現を誘導した。
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Research Products
(6 results)