2009 Fiscal Year Annual Research Report
フィトケミカルによるABCトランスポーター発現誘導と癌予防
Project/Area Number |
08J09635
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 達彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化ストレス / フィトケミカル / Cytochrome P450 / E-cadherin / PVLA |
Research Abstract |
昨年度の研究において、フィトケミカルによるABCトランスポーターの発現誘導は顕著に見られなかった。これは、代謝されることによりフィトケミカルは活性化するが、HepG2細胞ではCytochrome P450の発現が少ないため誘導が上手くいかなかったのだと考えられる。一般的に、肝臓細胞由来の細胞株は血清タンパク質、尿素、胆汁などの合成や薬物代謝など、肝機能が大きく損なわれてしまう。最も肝機能が高いとされている初代培養肝細胞においても、その機能は培養経過とともに急速に失われる。そのため、肝細胞を用いた既存の細胞培養系では生体内における肝機能を正確に反映できない。そのため当該年度は培養系の検討を行った。肝臓は細胞間、マトリクス間相互作用および肝臓特異的転写因子などの様々な因子により厳密な制御を受けることでその機能を維持している。そして、体外に取り出された肝細胞はこのネットワークが正常に維持されていないため、肝機能が低下するものと考えられる。そこで、生体内環境の空間的な模倣を通じ薬物代謝機能や細胞極性を維持した培養モデルの構築・検討をした。 細胞接着基質としてPVLAまたはE-カドヘリンを用い、その接着基質でコーティングした培養ディッシュ上でマウス肝臓初代培養細胞を培養し,肝機能マーカーの発現量を測定した。また、蛍光免疫染色法を用いて、極性タンパク質の細胞質内局在を検出した。 細胞の形態はコラーゲン及びE-カドヘリン上で培養したマウス肝細胞は大きな伸展がみられたが、PVLA上での培養は細胞伸展が見られなかった。PVLA上の肝臓細胞はスフェロイドを形成し、胆管様の管腔を有した。そこに胆管側発現トランスポーターであるMrp2の局在がみられた。肝機能についてはCollagen上での肝細胞では3日後には発現がなくなってしまったCyp1a2,Cyp2c29,Cyp2d22,Cyp2e1,Cyp3aの発現がPVLA上またはE-カドヘリン上で培養することで回復した。
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Research Products
(3 results)