2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
国下 敦史 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 単核銅酸素錯体 / 過酸化水素 / アセトン / Bis-(μ-oxo) / 芳香族水酸化反応 / Ni(II)錯体 / Ni(II)-フェノレート錯体 |
Research Abstract |
本研究は、非ヘム遷移金属活性中心における分子状酸素の活性化機構の解明を目指したものである。昨年度は、単核銅酸素錯体の合成とその反応性について検討を行った。その結果、ピリジン環の6位にフェニル置換基を導入した銅(II)錯体と過酸化水素との反応をアセトン中で検討した。その結果、新規酸素活性種として、アセトン分子と過酸化水素を取り込んだ単核銅(II)アルキルペルオキソ錯体を合成できた。さらに、反応性について検討し、フェニル基のオルト位が効率よく水酸化されていることを見出した。一方、単純なビスピリジルメチルアミン3座配位子を用いた銅(II)錯体においては、同様なアルキルペルオキソ錯体が生成するが、アセトンのBaeyer-Villiger型酸化反応が進行し、銅(II)酢酸錯体が生成することを明らかにした。(A.Kunishita et al.Ionrg.Chem.2008, 47, 8222-8232)次に、中心金属の役割を検討する為に、ピリジン環の6位にメタ置換フェニル基を導入したピリジルメチルアミン系3座配位子を用いてNi(II)錯体銅(II)錯体12Xを合成し、Ni(II)錯体と過酸化水素との反応をアセトン中で検討した。その結果、Ni(II)錯体を用いた場合にはBis(μ-oxo)二核Ni(III)錯体が生成し、この酸素錯体から芳香族基の水酸化反応が進行しで最終的にNi(II)-フェノレート錯体が生成する事を明らかにした。本反応はBis(μ-oxo)二核Ni(III)錯体による芳香族水酸化反応の最初の例であり、Ni-活性酸素種の酸化機能について重要な情報を提供するものである(A.Kunishita et al.Ionrg.Chem.2009, 48, 4997-5004)。
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Research Products
(4 results)