2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型魚類を用いた配偶者選別に関わる脳領域の同定、及びその進化・発生学的起源の解析
Project/Area Number |
08J09680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥山 輝大 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 初期応答遺伝子 / 配偶者選別行動 / 変異体スクリーニング |
Research Abstract |
前年度に作成した配偶者選別行動の新規行動アッセイ系を用いて、交尾行動に異常を示すメダカ変異体のスクリーニングを行った。野生型のメスは、交尾行動前日より視認したオスに対して、特異的に交尾の受け入れ亢進を示す。一方で、変異体スクリーニングの結果、視覚的に認識していなかったオスに対しても、交尾の受け入れ亢進を示す変異体メスを2系統見出した。両遺伝子をそれぞれ特異的にノックダウンするモルフォリノオリゴ(MO)を顕微注入したところ、同様の表現形が観察されたことより、胚発生時期における形態形成異常が成体での性行動の変化を起こしたことが示唆された。上記変異体の責任遺伝子の発現領域を同定することで、メスの交尾受け入れに関与する神経基盤の一端が解明できることを期待している。 また、並行して、交尾依存的に神経興奮する領域の探索を行った。前年度に作製した初期応答遺伝子c-fosを用い、高感度in situハイブリダイゼーション法、および、免疫染色法により、神経興奮の可視化を行った。その結果、オスにおいては終脳の背側部において強いc-fosの発現が観察された。しかしながら、初期応答遺伝子の発現は領域特異性があるため、c-fosの発現のみでは領域網羅性が低い。そこで、メダカにおける新規初期応答遺伝子を同定することを目的とし、マイクロアレイ法により初期応答遺伝子のスクリーニングを行った。PTZ(GABA受容体の阻害剤)により癲癇を誘導する前後での脳内での遺伝子発現量を比較した。その結果、初期応答遺伝子の候補を14遺伝子得ることができ、最大のもので、蛍光強度が21.1倍上昇した。今後はこれらの候補遺伝子の初期応答活性を定量的に検証する予定である。
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Research Products
(4 results)