2008 Fiscal Year Annual Research Report
c-Ab1の機能的複合体形成における動的活性制御機構の解析
Project/Area Number |
08J09696
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
圓岡 真宏 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | c-Ab1 / Abi-1 / VASP / BCR-Ab1 |
Research Abstract |
これまでの研究で我々は、原ガン遺伝子産物であるc-Ab1の酵素活性が、アダプタータンパク質Abi-1により制御されることを明らかにしてきた。そして、その基質のリン酸化制御は、酵素と基質とアダプターそれぞれの分子がダイナミックに相互作用することで成なされうることが示されている。そこで本研究では、Abi-1によるc-Ab1の動的活性制御機構と生理機能を理解する目的で、このユニークな制御モデルの複合体形成機構を解析するための技術基盤の構築と、in vitro反応系の構築による解析を試みた。内在性レベルでHis-Abi-1を発現する細胞より精製したAbi-1と、それに結合するタンパク質をゲルろ過クロマトグラフィーにより解析した結果、600kDaの画分でc-Ab1と新規に同定した基質分子VASP(Vasodilator stimulated phosphoprotein)が複合体を形成する可能性が示された。さらに、VASPはc-Ab1だけでなく、ガン遺伝子型のBCR-Ab1によってもAbi-1存在下でリン酸化が促進される基質であることを明らかにし、BCR-Ab1によるガン化に伴う白血病細胞の接着性の獲得にVASPのチロシンサン酸化が関与することを示唆する結果を得た。そこでVASPのリン酸化機構を詳細に解析する目的で、in vitro反応系の構築を試みた。現在までにAbi-1、VASP全長の発現・精製に成功しており、c-Ab1においてはCHO細胞を用いたタンパク質発現系により完全長c-Ab1の高発現細胞を樹立した。このことから、Abi-1によるc-Ab1の動的活性制御を解析するための技術基盤の構築目標をぼぼ達成し、その生理機能の解析目標としてAb1の新規基質VASPを得たことに大きな進捗があったといえる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
T shishido
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Journal Title
Adaptor proteins and ancer(Transworld research network)
Pages: 103-120
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