2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規LRR型受容体CLS1を介したCLV3/CLEシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
08J09726
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 温子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CLV3 / 茎頂分裂組織 / LRR-RLK / シグナル伝達 |
Research Abstract |
サプレッサースクリーニングで得られたCLVS peptide suppressor;cls1は強いCLV3ベプチド耐性を示し、またその原因遺伝子はLRR型受容体様キナーゼをコードする。本年度は、CLS1の機能を詳細に解析するため、遺伝学的・生化学的手法を用いた解析を行った。 1.cls1突然変異体の表現型解祈:茎頂分裂組織の構造を組織学的に観察するため、マーカー遺伝子であるCLVS、およびWUSの発現解析を行った。clv1、elv2突然変異体ではCLV3、WUSいずれの発現領域も拡大していたのに対し、cls1突然変異体では野生型と同様の発現パターンを示すことが明らかとなった。二のことからCLS1はCLV1、CLV2とは異なる作用点で機能している可能性が推察される。 2.cls1多重変異体の作出:clslclv1、clslclv2各二改変異体を作出し、その花器官数を計測したところ、これらの二重変異体はcls1、clv1、clv2いずれの単一変異体よりも強い表現型を示すことが明らかとなった。さらに、二重変異体においては、茎頂分裂組織の肥大化や二次的なメリステムの形成など、単一変異体には見られない表現型も観察された。このことから、CLS1はCLV1、CLV2と独立の経路で機能すると考えられる。 3.CLS1の生化学的解析:Nicotiana benthamianaの葉における一過的発現系を用いた免疫沈降実験の結果、CLS1はCLV1、CLV2いずれとも結合しないことが明らかとなった。一方、異なる二種類のタグを付加した融合タンパク質を用いたところ、CLS1は自身と結合することか明らかになった。このことから、CLS1は茎頂分裂組織において自身と結今し、二量体あるいは多量体として機能している可能性が示唆された。今後はこの可能性を検証するため、シロイヌナズナを用いた生化学的解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)