2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物のSAチャネルを介した重力感受機構の遺伝学・生物物理学的研究
Project/Area Number |
08J09762
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
豊田 正嗣 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 重力 / 屈性 / アミロプラスト / 機械刺激受容チャネル / カルシウム / 生物物理 / 植物生理 |
Research Abstract |
デンプン平衡石仮説によると、シロイヌナズナ花茎における重力感受は内皮細胞内の比重の大きいアミロプラストの沈降によって引き起こされると考えられてきた。この仮説は多くの遺伝学的・生理学的解析によって支持されているが、その多くは間接的データに基づいており、直接的検証はされてこなかった。本研究では、アミロプラストが重力方向に沈降せず、かつ1gで花茎重力屈性を示さないsgr2変異体に着目し、アミロプラスト動態と重力感受の関係を遠心顕微鏡を用いて検証した。1gで重力屈性を示さないsgr2変異体は、10gの過重力に対して殆ど重力屈性を示さないが、30gを負荷することで有意に重力屈性を示すことが分かった。遠心顕微鏡を用いた過重力中のアミロプラストのリアルタイムイメージングを行った結果、sgr2変異体のアミロプラストは10gでは一部のアミロプラストが僅かに動く程度であるが、30gで大部分のアミロプラストが過重力方向に沈降することが明らかになった。これらの結果は、アミロプラストの重力方向への沈降が重力感受をトリガーするというデンプン平衡石仮説を強く支持するだけではなく、sgr2変異体には重力受容機構は存在するが、1gではアミロプラストの運動が極度に制限されているがために重力感受できないという新たな生理学的解釈を与える。更に本年度は、アミロプラスト内にデンプンが蓄積していない重力屈性変異体(pgmおよびeall変異体)の解析も行った。その結果、これらの変異体のアミロプラストは過重力を負荷してもアミロプラストが正常に沈降せず、この過重力条件での重力屈性も弱かった。この結果は、デンプンの蓄積によるアミロプラストと細胞質との密度差が、重力受容に関わる沈降に重要であることを示唆する。
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Research Products
(7 results)