2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ酸エステル形成に基づく動的分子認識を利用した形状及び位置選択的触媒反応の開発
Project/Area Number |
08J09809
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高萩 洋希 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ホウ酸エステル形成 / 動的自己組織化 / ジアリールエテン / 分子認識 / フォトクロミズム / 位置選択的 / 触媒反応 |
Research Abstract |
筆者はこれまでに可逆的なホウ酸エステル形成を利用することでホスト分子がケスト分子に適合する形状へ自在に自己組織化する動的自己組織化の実現に成功している。そのような分子認識能を兼ね備えたホスト分子を化学反応へ利用することができれば、これまでのように1つの定まった構造のホスト分子には不可能であった機能の発現が期待できる。そこで本年度において、ホウ酸エステル形流に基づく動的自己組織化の一般性および構築した動的ホスト分子を活用した選択的分子変換反応への展開を自的に研究を行った。その結果、ホウ酸化合物として1,3-ベンゼンビスホウ酸、1,3,5-ベンゼントリスホウ酸やジアリールエテン部位を導入したビズホウ酸等において、対応する大環状またはかご状ホウ酸エステルが生成することを見出し、その一般性を拡大することができた。その中でも特に光応答性部位としてジアリールエテン部位を導入したビスホウ酸を用いた場合には対応する光応答性ホスト分子の構築に成功した。現在、分子認識とフォトクロミズムを連動させる等の高度な機能へ展開を図っている。 また、構築したホスト分子の空孔内を反応場として利用する研究についても着手し、大環状ホスト分子に包接されたトルエンの位置選択的な芳香族C-Hホウ素化反応の検討を行った。現在のところ、ゲスト分子と溶媒分子との交換が速いために想定通りの結果は得られていないが、今回新たに構築したホスト分子に関しても、それに適した反応系を設計し、順次検討を行っていく計画である。
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