2008 Fiscal Year Annual Research Report
通信路を介した協調作業システムの構築-制御工学・通信技術からのアプローチ-
Project/Area Number |
08J09824
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 幸紀 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2) (90574012)
|
Keywords | 切替え型オブザーバ / タイムスタンプ / 同期 |
Research Abstract |
本研究では,制御工学と通信技術の両面からネットワーク化制御系に対する制御手法を検討し,通信路を介した複数機器による協調作業,特にサブシステム間の同期手法を開発することを目的とする.研究成果は以下の通りである. 1.汎用ネットワークを用いた通信では,ネットワークの利用状況に応じて信号が不規則に変動するため,制御性能の劣化を引き起こす可能性があり,その対策が必要となる.これまでの研究では,タイムスタンプによる遅延計測を用いた切替え型オブザーバを複数機器の連動(同期)に応用した手法を提案し,実ネットワーク上での検証を行ってきた.平成20年度には,これらの結果をSICE Annual Conference 2008で発表し,同会議のYoung Author's AwardのFinalistに選抜され,計測自動制御学会(SICE)産業応用部門の奨励賞を受賞した.また,これらの成果はシステム制御情報学会論文誌に掲載された.非線形系への拡張については,受動系やカオス系の同期手法の調査を行っており,ネットワーク同期への適用可能性を現在検討中である. 2.サブシステム間でやりとりされるセンサ情報には,異常値を含むことがあり,それを考慮した切替え型オブザーバによる状態推定法を提案した.本手法は,正常なセンサ群を適時選択するものであり,ねじり振動系実験装置を用いた検証を行い,提案法の有効性を検証した.同結果をIEEE International Conference on Networking,Sensing and Control(ICNSC2009),第52回自動制御連合講演会で発表した.また,上記の国際会議ICNSC2009において,ネットワークを介した協調制御の研究調査を行った.
|