2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体デバイスを用いたアプタマーの1分子スクリーニングシステムの開発
Project/Area Number |
08J09830
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉野 弘和 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | デバイス / チップ / ソーター / マイクロ / 分子 / 分離 / スクリーニング / アプタマー |
Research Abstract |
蛍光標識DNAを、分子ソーターにより分離することに成功した。まず、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用し、ビオチン化したβ-ACTINおよびGAPDHの遺伝子を、ストレプトアビジンをコーティングした2種類の量子ドット(Em.655nm、Em.565nm)で標識した。β-ACTINをマイクロ流体チップに流し、655nmの蛍光波長を指標にβ-ACTIN遺伝子を蛍光検出できることを確認した。各DNAを混合してマイクロ流体チップに流し、β-ACTIN遺伝子DNAのソーティングを行った。分離後、回収した試料溶液に含まれるβ-ACTINおよびGAPDH遺伝子の割合を定量PCR法により調べた結果、β-ACTINの遺伝子の割合が分離前に比べて増加したことが確認された。この実験により、量子ドットで標識したDNAが分子ソーターにより分離可能であることが示された。この成果は、標的タンパク質と相互作用するアプタマーを1分子レベルでスクリーニングための基礎技術が完成したことを意味する。現在は、標的タンパク質を分離する際に、そのタンパク質と結合するアプタマー配列のRNAも同時に分離するためにシステム構築に取り組んでいる。 また、マイクロ流体チップ内を流れる複数種類の標的を、各標的を標識した蛍光タンパク質のスペクトル特性の違いから区別し、チップ内の異なる分岐へと分離する技術を開発した(Lab on a Chip誌に掲載予定)。この分離技術により、4種類の蛍光ビーズおよび3種類の大腸菌をソーティングすることに成功した。この技術が持つ特定の蛍光スペクトルを区別できる特性を利用し、蛍光タンパク質をチップ内で分子進化させるオンチップシステムを開発する予定である。
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Research Products
(4 results)