2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体デバイスを用いたアプタマーの1分子スクリーニングシステムの開発
Project/Area Number |
08J09830
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉野 弘和 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | マイクロ流体デバイス / チップ / DNA / 量子ドット / ソーティング / 分離 / アプタマー / ソーター |
Research Abstract |
前年度に分子ソーターによる蛍光標識DNAの分離に成功した。本年度では分子ソーターの分離性能の評価を行い、問題点を検討し、アプタマーのスクリーニングに向けて分子ソーターの実験系を発展させた。分離前に10%程度の存在量であったDNAが分離後に30%程度まで濃縮されていることを確認した。分離システムのより詳細な性能評価を行う過程で、DNAの拡散とDNAの流路表面への吸着が、分離性能に悪い影響を与えていることが判明した。そのため、アプタマーのスクリーニングに取り組む前に、分子ソーターの実験系の改良に取り組んだ。流路形状を検討し、流路表面の化学修飾を施すことにより、改良前は30%程度までしか濃縮されなかったDNAが60%程度まで濃縮されるようになった[投稿準備中]。目的のアプタマーを探索するには、分離したサンプルをチップから回収して再び分離するというサイクルを繰り返すため、今回達成した1回あたりの分離性能の向上は、サイクル数の大幅な短縮につながり、アプタマーのスクリーニングを行う際のスループット向上につながる。結果として、分子ソーターの実験系の改良を行うことで、より実用性の高いDNAの分離システムが完成し、目的であるアプタマーのスクリーニングの現実性が増した。また、前年度に開発した多分岐型分離システムが論文に掲載された[雑誌論文1]。この分離システムはタンパク質のスクリーニングを行う実験系に応用する予定である。一方、多分岐型の分離システムを今まで取り組んできた並列型の分離システムに応用することで、並列型の性能向上にも成功した(投稿準備中)。この並列型分離システムは、将来、アプタマースクリーニングのスループット向上の取り組みの基礎技術となると考えている。
|
Research Products
(7 results)