2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J09834
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山邑 紘史 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中位投票ルール / 平均投票ルール / 戦略的操作 / ナッシュ遂行 / 支配戦略遂行 / セキュア遂行 / 経済実験 |
Research Abstract |
単一の公共財の供給量について、利害関係者の投票に応じて決定するような環境について考えよう。社会的に望ましい資源配分を実現するためには、利害関係者の選好に関する情報が必要となる。しかしながら、各利害関係者は個人的に望ましい帰結を導き出すために、自らに関する情報を正直に申告しないかもしれない。この「戦略的操作(strategic manipulation)」の問題に対して、上記の環境では、いかなる投票制度を用いようと、戦略的操作の帰結はある種の中位投票ルールによって特徴づけられることを理論的に明らかにした(山邑,2008)。 また、戦略的操作可能な投票ルールの一例として平均投票ルールについて考察し、そのナッシュ均衡点が動学的安定性をみたしていることを示した(河崎・山邑,2008)。 一方で、例えば中位投票ルールの下では戦略的操作を起こすインセンティブが生じないことが理論的に知られているが(ムーラン,1980)、中位投票ルールの下でのナッシュ均衡には非効率的な帰結を導き出すものが存在することが知られている(西條・ヒューストローム・大和,2007)。このとき、平均投票ルールと中位投票ルールのいずれがより理論予測に近い帰結を導き出すか、経済実験を通じて比較した。
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Research Products
(7 results)