2008 Fiscal Year Annual Research Report
より大規模で複雑なリコネクション層に見られる電子ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
08J09859
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
田中 健太郎 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気リコネクション / イオンスケール電流層 / 宇宙プラズマ / 粒子加速 / 温度非等方性 / 磁気圏境界面 / 粒子シミュレーション / 地球磁気圏 |
Research Abstract |
◆イオン温度非等方性による高速磁気リコネクショントリガーに関する研究 先行研究において,電子温度非等方性の存在がテアリング不安定性(すなわち,磁気リコネクションの直接的原因)の線形成長率を増大させる事が示されていた.近年の研究で,イオン慣性長程度厚さの電流層中で爆発的磁気リコネクションを引き起こす為に,電子温度非等方性が効果を示さない事が報告された. 本研究において,イオン温度非等方性の存在と磁気リコネクションの成長・飽和状態に関する調査が行われた.その結果,以下の事が明らかになった.イオン温度非等方性が(1)磁気リコネクションの成長速度を加速させ,(2)その飽和レベルを増大させる. ◆非対称電流層中におけるイオン流とリコネクション点運動の関連性に関する研究 先行研究において,密度非対称系電流層で発生するリコネクション点の運動に関する議論が報告されている.それによると,電子スケールの局所的なダイナミクスによってリコネクション点が運動を開始する事が示された. 本研究において,先行研究と異なる視点で,かつ,様々なパラメークサーベイを行う事により,リコネクション点の運動に関する共通的仕組みを発見した.その結果,以下の事が明らかになった.(1)リコネクション点近傍に流れ込むイオン流パターンがリコネクション点運動をコントロールする.裏を返せば,先行研究にあるような,電子スケールダイナミクスだけでリコネクション点運動か決定できない.(2)リコネクション点運動が,高密度領域のイオン流パターンに強く依存する.
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